マーケティング;出会いが人生に関わる事もある  佐伯邦夫教授

マーケティング;出会いが人生に関わる事もある  佐伯邦夫教授
マーケティング;出会いが人生に関わる事もある  佐伯邦夫教授
CUBE DIARY

マーケティング;出会いが人生に関わる事もある  佐伯邦夫教授

2012.10.02

佐伯邦夫教授紹介HP

http://www.konan-u.ac.jp/faculty/cube/professor/saeki.html

今4年生は卒業研究でそろそろ不安ではないかと思います。

自分の時はどうであったか。定かに覚えているわけではないが、3年の3月にはすでにテーマを決め、4年の夏休みには書き始めていた事を覚えています。私は大学3年の春の学期には大学院に、それもゼミの恩師の村田先生の指示で米国の大学院に行くことを決めていました。3年の夏休み、4年の夏休みに米国の大学で夏の学期を受講しており、4年時には卒業論文を米国で少しずつ書いていたことを覚えています。当時はあまりなじみではなかった、ソーシャル・マーケティングの分野でスウェーデンの社会・行政システムを調べており、夏に米国で資料を入手して助かったことを覚えています。当時ならネットで調べるわけにいかず、米国の大学構内のブックストアが大変役に立ちました。

私の恩師の村田先生は日本におけるマーケティングの先駆者の一人で、そのゼミからは現在日本マーケティング協会の理事長をされている、嶋口充輝先生を筆頭に、今のアカデミックサイドには多くの学者が育っています。嶋口先生は米国留学中、困った時はいつも相談させて頂き、私がコンサルタント時代は慶応ビジネススクールで講師をさせて頂いていました。

私は大学でマーケティングと言う分野に巡り合い、それ以降その関連する分野ですごしてきています。私が大学生のころマーケティングは誰でもわかる分野では無かった。カタカナが多い経営に関連する新しいトピックと言った認識でした。米国からやってきた全くなじみの無い新しい分野。商業や経営に関する分野。それも簿記や会計学とも異なり、広告や流通と密接に関係するこれからの分野と言われていました。私の父が夏の軽井沢での企業人の勉強会で村田先生の講演を聴き、村田先生のゼミに行け、と熱心に勧めていました。当時の村田ゼミは慶応では人気ゼミの一つで、難関でした。何故不愛想な当時の私を取ってくれたのかは知りませんが、1学年30名以上のマンモスゼミで2年間過ごし、その後米国で大学院を修了、NYに本社のある当時世界で最大の国際広告会社から社会人をスタートさせました。その後広告・ブランドコンサルティング・ビジネスコンサルティングから色々な国、色々な得意先の製品・サービスに対して仕事をさせて貰い、3年半前にマネジメント創造学部設立時にやってきました。ずっとマーケティングの分野です。

マーケティングの中身は時代により進化し、かつてのビジネスや経営の道具的なところから戦略や経営の哲学的、対象もビジネス、マーケットから社会・非営利組織にまで広がっています。

多くの大学の先生方は自分の専門分野に関する学問に関して、自己の研究成果を公開発表し、検討論議、同時に、研究発表、講演、学会誌、学術論文誌などを通じて研究成果の発表の場として、あるいは研究者同士の交流の機会を創る学会と言うところに属しています。

今まで経営学会、商業学会はありました。流通学会、広告学会、消費者行動研究学会もあります。しかし日本マーケティング学会は存在していなかった。米国ではThe American Marketing Associationとして1937年に設立されていたのに。

その日本マーケティング学会が今年11月11日に結成されます。今までの研究者中心ではなく、実務家も含めて。設立発起人には村田ゼミ卒業の諸先輩が沢山いる。勿論私も入会しています。まだご存命ですが、村田先生が最もお喜びではないか、と思います。そして久しぶりにお会いする事を楽しみにしています。

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