海士町観光協会でのインターンシップに参加して

海士町観光協会でのインターンシップに参加して
海士町観光協会でのインターンシップに参加して
CUBE DIARY

海士町観光協会でのインターンシップに参加して

2013.10.15

昨年からスタートした島根県の隠岐諸島の一つ海士町でのインターンシップ。
今年も2人のCUBE生が約1ヶ月間、海士町でインターンシップを行いました。
昨年、海士町でのインターンシップに参加したCUBE4年生の大塚君がインタビュアーとなり、海士町での生活を振り返りました。

【海士町は、島根半島沖合約60Kmに浮かぶ隠岐諸島の中の一つ、対馬暖流の影響を受けた豊かな海と、名水百選(天川の水)に選ばれた豊富な湧水に恵まれた半農半漁の島です。近年では「ないものはない」というスローガンのもと、都会のような便利さはない反面、自然や郷土の恵みは潤沢で、暮らすために必要なものは充分にある、島らしい魅力や個性を大事にしてきたことで広く知られています。ダイビングや釣りなどの海上レジャー、歴史や風土を楽しむ島内ツアーなどで訪れる観光客でも賑わいます。】

■参加学生
・マネジメント創造学部3年 南野梓       
体験期間:8月21日-9月8日
滞在場所:島根県隠岐郡海士町
インターンシップ先:海士町観光協会、海士町の観光に関わる様々な施設(旅館、ホテル等)
内容:観光協会の仕事を手伝う(島宿のブランディング化、ホテルでの接客、清掃等)

■マネジメント創造学部3年 山野井智史
体験期間:8月1日-8月25日
滞在場所:島根県隠岐郡海士町           
インターンシップ先:海士町観光協会、海士町の観光に関わる様々な施設(旅館、ホテル等)
内容:観光協会の仕事を手伝う(ビーチやホテルの管理・清掃等)

●大塚:お二人とも日焼けしてたくましい顔つきになりました。
山野井:海士町での日々は本当に楽しかったです。島の民宿に泊まりながら約1ヶ月間インターンシップに参加していたので、島に住んでいるという感覚で、それが楽しかったです。

南野:インターンシップ先の海士町観光協会の方々や地元の人、Iターンで島に住みついている人、観光で海士町を訪れている人、専門学校生で一緒にインターンシップに参加している人など、たくさんの方と関わりがありました。私は、レストランでの接客や、ホテルや民宿の掃除、ベッドメイキング、民宿を「島宿」としてブランド化するための調査・提案の仕事を体験しました。

山野井:僕はビーチを安全に使ってもらうための管理員の仕事やレストラン、ホテルでの接客などに取り組みました。

●大塚:色々な仕事を体験させてもらえましたね。
南野:はじめに渡されたシフト表をもとに、その日の仕事場に向かいます。でも、その先は何も教えてもらえないんです! 自分がこの場所で何をすれば良いのか分からない、段取りも分からない。そんな状態からのスタートでした。後でそれが、私がいろいろと学べるようにという、観光協会の方のご配慮だとわかったのですが。
レストランには地元の高校生がアルバイトに来ていて、その高校生はアルバイトをするのが初めてらしく、色々と私に質問してきて・・・。私も何も分からないですし、自分には何が出来てどんな行動を取れば良いのか考えることが多かったです。

山野井:ビーチでの仕事では、海水浴に来たお客さんが、向こうから声をかけてくれることがとても嬉しかったです。島の外から来ている人はすぐに分かるらしく、物珍しさで色々と話しかけてきてくれて、色々な人と仲良くなれました。 

●大塚:海士町には全国各地から人が集まっています。
南野:海士町には地元の人もいますが、Iターンで島外から来ている方が多くいました。そういった方はみなさん異色の経歴を持っていて、自由に自分らしく自らの考えを持って生きているなぁと感じました。就職活動をして、大学を出たら就職してどこかの会社で働くというのが世間一般の道ですけど、違う道を選ぶのもありだし、世間がそうだからではなく、自分の考えを持って生きていくことが大切だと思うようになりました。
それと、普段生活している中ではなかなか出会わない境遇や年齢の方とたくさん話すことができました。そうすることで、自らを振り返ることができ、「自分自身を見つめ直す」という目標を達成することもできたと思います。

山野井:あるIターンで海士町に来ている方に影響を受けて、その人の生き方や働き方に共感できました。その人は写真家兼マルチワーカーで定職を持たず、1年中色々な仕事をしながら働いていました。例えば、夏にはたくさんの観光客が来るのでホテルで働き、冬には水揚げされたイカの加工工場で働くといった具合です。「自分の好きなことを仕事と結び付ける」この言葉が印象に残りました。自分の好きな写真を他の仕事と結び付けて、自分の好きなことに力を注ぎながらきちんと生活をしている姿はかっこいいなと思うんです。生きる中で仕事が中心ではなく、自分の好きな写真を中心とした生活をされていました。

●大塚:海士町の魅力は「人」と言われていますが、印象的だった人との出会いや交流はありましたか?
南野:地元の方同士の距離がとっても近くて、観光協会の方も地元の方もあたたかい気持ちで私を迎えてくれました。レストランで働いていたときには、お客さんに名前を覚えてもらいましたし、ある民宿のおばあちゃんには娘のように可愛がってもらえました。

山野井:観光協会の方には仕事面、生活面など、あらゆる場面で支えて頂けました。歓送迎会も開いて頂き、優しく迎えて頂き嬉しかったです。

●大塚:今回のインターンシップを通して自分自身で変わったなと思うことや、成長したと実感することは?
山野井:何をするにも丁寧に完璧を目指して、最後まで取り組もうという気持ちを持つことができるようになりました。これまではなかなか気づかなかった細部にまで目が届くようになって、多くの「気づき」を発見できるようになったんです。ビーチでの仕事をこなす中で、コケ取りをしたり排水溝にたまった砂を取り除く仕事をしたりするうちに、ただ目に見えている箇所をきれいにする以上に、何かを最後までやり遂げたいという気持ちを持って仕事に臨むことができるようになっていました。一つのことを一生懸命に全身全霊をかけて取り組めば何かが見えてくるんです。海士町に行く前は授業一つとっても、なーなーな気持ちで臨んでいて、「単位さえ取れれば良いや」という気持ちでしたから。

南野:自分の中の当たり前が覆されました。きれいに整備された道を歩むだけが全てではなくて、自分で進みたい道を切り開いていく。自分の思うとおりにやれば良いんだという気持ちになりました。まわりでは就職活動に向けて一般企業のインターンシップに参加する人も多く、そっちのほうが良いのかな?という焦りの気持ちもありました。ただ、「海士町に行く」という自分の決断を信頼して、今回海士町に行って本当に良かったと思います。何となく決めてしまわずに、自分で考え、決断し、行動に移すことが大切だと思います。

●大塚:今後に向けて
南野:そもそも「インターンシップ」という呼び方自体どうなんでしょう?海士町での経験は「旅」のようなものでしたよ。

山野井・大塚:確かに!

大塚:普通の企業のインターンシップは、自分を偽った状態だと思うんですよ。就職活動を控えて、内定を得るためにいかに自分を良く見せようとか、そういうことをどうしても考えてしまう。でも、海士町でのインターンシップは素のままの自分でいられて、素直になれるよね。

南野:だから、海士町に行くなら1週間ぐらいの短期間ではなくて1ヶ月ぐらい行く方が良いです。それと、できれば一人で行くことですね。自分の独力で何とかやっていくことで力が着くと思います。私もはじめのうちは他のインターン生と一緒だったんですけど、他のインターン生が帰ってからは、一人の個人として観光協会の方や島の人に接してもらえました。

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