長野信州セルフディスカバリー

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CUBE DIARY

長野信州セルフディスカバリー

2012.04.06

新3回生の平山一馬です。

私はこの春休みOBSに行きました。OBSとは冒険教育を行っている非営利団体です。今回はそのOBSのプログラムの1つである「長野信州セルフディスカバリー1週間」に参加してきました。参加のきっかけとなったのは後期に佐藤先生のプロジェクトを履修した際に佐藤先生から「OBSいってみない?」といわれ安易に「いきます!」と答えたことです。そのOBSの感想を書きたいと思います。

セルフディスカバリーは8人でチームを組み、1週間ともに冬の雪山で過ごすというものでした。まず1枚の紙を渡されます。そこには「○日の○時までに○○に到着せよ」というミッションがかかれ、地図とコンパス、そしてテントや食料などを渡され、ミッションをこなしていくというものです。今、この文章をみてテレビ番組の企画のようで面白そうと思った方がいたかもしれません。しかし現実はそうではないのです。

そこには想像以上のつらさがありました。その上、チームのみんなは冬の雪山などは初めてでした。地図も読めない、コンパスの使い方などはわからない、テントや食料を持っているため荷物は重たい。休憩はしたいけど歩くのをやめると寒くて凍えてしまう。早く目的地までいかないと日が暮れて何も行動できなくなる。ここはどこ?今何時?など数えきれないほどの不安やしんどさがそこにはありました。

そして様々な葛藤がありました。例えば、先頭を歩くときの話。先頭を歩く人には役目があります。それは道をつくることです。そしてそれは想像しがたい過酷な役目でした。重たい荷物をもって膝の高さまで積もっている雪の斜面を踏み上りながら道をつくらなければならなかったのです。1歩1歩道をつくるたびに私は「もうやめたい、なんでこんなしんどいことをしなければならないんだ」だとか「あのとき、安易に行きますなんていうんじゃなかった」などいろいろ思いました。しかし歩かなければならなかったのです。みんなの道をつくらなければならなかったのです。止まっていると寒さで身体的に危険状態になりかねないからです。そこで私は「生きる辛さ」と「一生懸命」という言葉を本当の意味で知りました。

また沢山の衝突もありました。限界をこえてもなお必死になっていると本音が出てきたのです。冬山の世界は私たちが住む世界とは違いうわべではやっていけませんでした。私も「キレイゴトをいうな」とか「お前は嫌いだ」とかいろいろ言われましたし、私自身も「仲間をもっと思いやれよ」と本気で怒りました。

私は今まで誰もが持っている汚い部分は隠していかなくちゃうまくやっていけないと思っていました。しかし、本当は違っていました。その汚い部分を認め、認められ、初めて本当の「絆」というものが結ばれることを知りました。そしてミッションをクリアした時、私は本気で泣きました。本当の意味で結ばれた仲間と一緒に無事目的にたどり着いたとき仲間全員で泣きました。これが「絆」なんだと知りました。

たかが1週間のプログラムでした。しかしそこには様々な葛藤・衝突がありました。様々な不安・しんどさがありました。様々な喜怒哀楽がありました。そして沢山のことを学びました。学んだことで1番大きいなと思ったものは「本気・本当」という意味です。それは想像以上の覚悟がいる言葉だということを学びました。間違いなく私とっては今まで1番濃かった1週間でした。

最後になりますが、私は改めて佐藤先生に感謝したいと思います。私はこのOBSの「長野信州セルフディスカバリー1週間」に参加して大きく成長できました。このような機会を与えてくださって本当にありがとうございました。

新3回生もいろんな葛藤や衝突があると思います。しかし私はこの冬山の経験を生かして何事も本気でぶつかっていきたいと思います。

〈兵庫県立武庫荘総合高校出身:平山一馬〉

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