幸せで持続的な社会を考えるフィールドワーク<br/>~「神戸市国際協力(PEACE BY PEACE COTTON [PBP]プロジェクト)」~

幸せで持続的な社会を考えるフィールドワーク<br/>~「神戸市国際協力(PEACE BY PEACE COTTON [PBP]プロジェクト)」~
幸せで持続的な社会を考えるフィールドワーク<br/>~「神戸市国際協力(PEACE BY PEACE COTTON [PBP]プロジェクト)」~
CUBE DIARY

幸せで持続的な社会を考えるフィールドワーク
~「神戸市国際協力(PEACE BY PEACE COTTON [PBP]プロジェクト)」~

2021.12.10

マネジメント創造学部(CUBE)の学びの特長の一つに「フィールドワーク科目」があります。
地域や企業に学生訪問の機会を設けていただいた上で、参加した学生たちが現場で見聞したことや考えたことをベースとしながら、社会の課題にどう向き合えば良いのかを学ぶ、体験学習型の授業です。
今回は「神戸市国際協力(PEACE BY PEACE COTTON [PBP]プロジェクト)-SDGsと企業活動-」の一環として、愛知県でのフィールドワークに参加した2年生の足立空さんのレポートをお届けします。

 

PBPプロジェクトは、フェリシモ(神戸にあるファッション、生活雑貨などを扱う企業)の社員の方が中心となって始まりました。インドでのオーガニックコットン栽培の支援とともに、そのコットン用いた商品の製作・販売してこられました。本フィールドワーク授業では主に、企業とSDGsとの関わりについて学んでいます。今後はインスタグラムなどを活用して、この活動の広報を手伝うことにもなっています。

中学生の頃に、ブラジルやアフリカのスラムでの生活をテレビで見て、生活に困窮している人が世界にはたくさんいることを知り、大学では是非とも、こうした問題の解決に関わる学びがしたいと考えていました。大学選びの際、甲南大学CUBEでは英語を活用しつつ、そうした問題の解決策について学ぶことができると知り、入りたいと思いました。入学後、このフィールドワーク科目に出会いました。具体的に調べていくと、多方面からの生活課題の解消支援に取り組まれているこのPBPプロジェクトは、世の中から生活困窮を減らしたいという私の考えとも一致していたので、参加を決めました。

今回見学させていただいた(株)丸松織布様は、現在業界的に不況に陥っている繊維分野で継続的に利益を出し続けておられる、国内有数企業です。どのように意思決定し、効率化を図られているのか、経営学的視点から学ぶことができました。特に心に残ったのが、技能実習生の方を継続的に採用されている点です。海外から来られた実習生を大事に思っておられることがわかり、また滞在期間を3年だけでなく、5年まで延長できるよう、現在関係省庁と交渉されているとのことでした。他授業で学んだ技能実習制度について、現場に即して理解が深まりました。また経営学の授業で勉強した、社員を大事にすることの重要性について、お話を伺うことで現実感を持って学べました。

名古屋市立大学では、PBP財団の理事(現地支援管掌)である榎木美樹先生から、企業が海外において生活改善支援に取り組む際の注意点について教えていただきました。具体的には、最近ますます注目されてきた、社会問題の解決にあたりながら利益を生み出すCSV活動のあり方についてです。例えば、全員が生活に困るという「平等」な状況があるとします。そうした状況の中、CSVの活動によって少数者が大金を手にすると格差が生じ、争いが起きかねないという可能性を、実例を通して教えていただきました。こうした考えは、長年国際協力に取り組まれてきた榎木先生だからこそわかることで、とても新鮮でした。こちらが良かれと思って進める活動によって生み出される負の影響もあるのだな、と感じました。そして、じっくりと時間をかけて取り組まなくてはならない問題だと再認識させられました。

今回は愛知県でグループ行動をしましたが、私自身リーダーとして人をまとめるという経験をあまりしたことがなかったので、全員に一つの情報を伝達していくことの難しさやスケジュール調整の大変さを実感しました。また、フィールドワークに行って感じたのは、社会では産業の空洞化や利害関係の発生など、一つの問題でも複雑に絡み合っていて、これらを一つ一つ丁寧に解決していった先に、全員が幸せで持続的な社会というものを実現できるのではないだろうかということです。今後もサークル活動としてこの活動を続けていく予定ですので、さらに学びを深めていきたいです。

 

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