データから新しい知見を得よう。
「教育工学」は、「教育」と「工学」が結び付かないため、何を研究する学問領域なのか、イメージしにくいかもしれません。そこで、定義を見てみると、米国教育工学・コミュニケーション学会は1994年に「教育工学とは、学習の過程と資源についての設計、開発、運用、管理、ならびに評価に関する理論と実践である。」と定義しています。つまり、教育工学は、学びの場に関係する全てのステップを研究対象にしています。
私は、教育工学関連の研究では、eラーニングによって得られる学習履歴のデータを分析して、どのような授業実践、学習支援をすると、どのような効果があるのかを調べたり、学生による授業評価アンケートのデータを分析して、授業の総合評価に影響を及ぼす要因を調べたりしています。
最近は、分析するデータの対象を教育以外の分野に広げ、会議の議事録やツイートなどのテキストデータ(単語や文章)の分析にも取り組んでいます。数値データなら、足したり引いたりでき統計処理もスムーズに行うことができますが、テキストデータは足したり引いたりできず、数値と同じような処理はできません。しかし、様々なテキスト分析ツールが開発されるようになり、コンピュータを用いてテキスト分析を行うことができるようになりました。CUBEの研究プロジェクトでは、皆さんと一緒にテキスト分析にチャレンジしたいと思っています。
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好奇心をもって世の中の出来事を見つめ、様々な立場の人がいて様々な意見があって様々な問題があることを、大局的に捉えることができるようになりましょう。