HOME  >  卒業生インタビュー  >  平山 一馬

卒業生インタビュー

何より強いのは、自分に負けない力を身につけたこと。【2期生】平山 一馬 2014年卒業(株式会社 杉孝 東京第二営業所 主任)

自分が軸となって、周囲を巻き込むような働き方がしたい。

Q.
大企業にはまったく興味がなかったとか?
平山

そうですね、大きな組織に組み込まれるよりは、自分が軸となって人を巻き込んでいくような働き方をしたかったので。鶏口牛後じゃないですが、それなら大企業ではないなと。
勤めているのは、建設現場の足場をレンタルする会社。従業員数は700人くらいですが、6年前に入社したときは約380人だったので成長企業だと思います。

佐藤

一流企業だからよいとか大企業に入りたいとか、そういうタイプじゃないからね。営業で頑張っているそうだけど、仕事はおもしろいの?

平山

はい、楽しくて仕方ないです。営業職は能動的に仕掛けていけるおもしろさがあるし、頑張った結果が数字で見える。とくに、大きな仕事を取れたりすると達成感も大きいです。

佐藤

その頑張りが認められて、ヨーロッパ研修旅行にも行かせてもらったらしい。
どんな部分が評価されているの?

平山

営業なので数字を出すことが一番ですが、上司から褒めてもらうのは、日々の小さなことだったりします。あとは仕事以外で、常にビジネス本などを読んでいることや、日経新聞電子版で参考になりそうな記事があれば社内で共有していることなど。

佐藤

ゼミの時からそういう癖がついていたからね。彼は経済ニュース番組WBS(ワールドビジネスサテライト)で12回も名前を呼ばれたんですよ。毎回、研究して作戦立てて質問を送って。あとは、チューターとして授業の補講をやると、100人以上も後輩が集まる。
そんなことやゼミの活動などが評価されて、卒業式で学長賞をもらった。学長賞っていうのは、スポーツ等の全国大会で優勝したり活躍した人がもらうことが多く、学業で賞をもらうケースはめずらしい。

平山

WBSに質問を送りつづけたのは、自分を甘やかさないためです。いろいろ戦略をたてて送った質問が採用されるかなと思うと、欠かさずに観たくなりますから。

聞いている人たちとコミュニケーションする。それがプレゼンの基本。

Q.
CUBEで学んだこと。社会で活かされていると思うのはどんな部分?
平山

一つは、物事をカテゴライズして話す力。たとえば、話の初めに「解決方法は3つあります」と分類して伝えると、相手の集中力が途切れないし、説得力も出てくる。営業活動するうえでこれはかなり役に立っています。

佐藤

頭のなかで立体的に整理してから、話すということ。ほとんどの人は平面的にしか見ていないから、話が分かりにくいのです。
会議の場でも、みんなが集まってあれやこれやと話すから議論が進まない。「今日の議論を3つに分けると、人・組織・お金ですね。まず、人から話をしていきましょう」とかね。そういった思考ができるようになると、効果的に議論が進む。

平山

佐藤先生には、プレゼン力をかなり鍛えていただきました。
ほとんどの人は用意してきた台本を読むんです。徹底的に鍛えたられた自分としては、そんなの絶対イヤですよね。必ず頭の中に入れておいて、スティーブ・ジョブズになり切ります(笑)。
それでもCUBEに入った頃は、先生から「お前の話は分からない」とよく言われていましたね。

佐藤

悪くはなかったけど、つまらなかった。情報量が多すぎたから「3割減らせ」と。そうすると、ちゃんと言われたとおりに直してくる。素直だからね。私がどこかでプレゼンすると知って、勉強のつもりで何回か聞きに来たりしていた。

Q.
プレゼンテーションにおいて、大切なこととは?
佐藤

ゼミで教えているのは、プレゼンはコミュニケーションだということ。ほとんどの人は一方通行で話すから、聞いている方が飽きてくるんですよ。
たとえば、「今日の話には2つ大事なことがある」と伝えてから、ひと呼吸おくと、みんな「次の言葉は何だろう?」と考える。間をとって、相手の脳を動かして、それから、次の本題に入るなどなど・・・。

もしくは、相手の期待を裏切ってみる。「この学校では毎日ネイティブ教員の授業が非常に多くあります。でも、英語を学びたい人は来ちゃだめです」。みんなが「え?」となってから、「英語を学びたい人は外国学部に、英語を使って将来仕事がしたい人はこの学校がよいです」と言い直すと、もっと心に響くスピーチになる。

平山

今でも、よくやります(笑)。他の人たちは、そんなこと教えてもらってないですから。直属の上司からは「そこだけは、平山に勝てない」と言ってもらいます。

大学は、答えの出し方を学ぶところではない。

Q.
普通の大学では学ばないような力が、身についていると。
平山

佐藤先生の教えって、すぐに成果が見えにくいこともあるんです。自分もそうでしたが、学生のときってみんな格好いい言葉を使いたがったり、資格など分かりやすい武器を求めてしまう。でも、社会に出て自分を助けてくれるのは、もっと深いところにある力だと思います。

佐藤

うちの娘にも、簡単に解ける方法を教えてとよく言われますよ。「この手法を使えば答えが出るよ」と教えるのが塾の教え方。
でも、私の場合は「1/2って何?」と聞かれたら「1個のリンゴを2人で分けることなんだよ」みたいな話。計算して解ければいいということではなく、「どう考えたら分かるのか」を教えるんです。

平山

そんな考え方が、私たちの中でもクセになっているのかもしれませんね(笑)。
もう一つ、自分が負けていないと思えるのは、物事を俯瞰して見ることができようになった。うちは業界で関東圏No.1の企業ではあるけれど、今後の市場動向や世の中の動きによって求められるものは変わっていく。何十年先のことを考えて話をすることもある。そういった点は評価されていると思います。

Q.
何事も習得するのは早い方ですか?
平山

いえ、センスは悪い方です。CUBEに入った当初も、経済学でなかなか点数がとれなかったのです。
努力はできるタイプだけれど、頑張ってもなかなか伸びなかった。そこで友達や先輩に相談して気づいたのは、暗記型じゃダメなんだということ。論理的に考えて話す力が必要だった。そこからは一気に力をつけられたと思います。
今から考えると、CUBEの理念にある「自ら学び、共に学ぶ。自ら考え行動する」そのものですよね。

雪山での貴重な経験が、モチベーションの角度を上昇させた。

Q.
平山さんといえば、雪山登山のインターンシップが印象的です。
平山

そうですね、あの経験は間違いなく、人生のターニングポイントになりました。
CUBEってみんな努力して勉強しているんですけど、雪山から戻ってみると、正直いって「なんだかCUBEは生温いぞ」と思ってしまった(笑)。自分はこのままでは全然ダメだと思って、そこからギアを掛けなおしました。

いまの会社で、社長から「向上意識が高い人は伸びる」という言葉を聞きますが、本当にそう思います。どれほど頭が良くても、成長意欲がないといつか誰かに追い抜かれる。自分はあの雪山での経験によって、モチベーションの角度をぐっと上向きに変えることができたのだと思います。

雪山登山のインターンシップ

Q.
それでも、人間だから凹む時もあるはず。なぜ、また戻ってこられるのでしょう?
平山

もちろん、落ち込むこともあります。入社してすぐは、慣れない東京の土地ということもあり、なかなか結果を出せなかった。
CUBE時代はそれなりに評価されて、もっとできる自分がいるはずなのにと、理想と現実のギャップが大きくて悩んだこともありました。
でも、小さな成功体験をかさねながら少しずつ自信をつけていった。学生時代から継続していた本や新聞を読むなど、小さな努力をあの頃から続けたことで、だんだんと認められるようになった。

きっと、あの雪山を経験したことで「自分は、ここまでモチベーションを上げられる」と分かっていたのだと思います。だから、凹んでも定位置に戻ってこられる。

佐藤

今の若い人たちは、自信がなさすぎる。頑張っても変わらないし、今のままでいいやと思ってしまう。何かやるんだ、自分はやれるんだと思えば変われるのにね。

平山

やれると思います。人によって時間がかかる、かからないはあるけれど。
CUBEで学んだことで、私の人生は大きく変わった。ここに来なければ、今の自分は絶対になかったと思います。

自分の力を信じて、戦略を立てて動く。

Q.
「本を100冊読め」というアドバイスも、実践したそうですね。
平山

それまでは1年に1~2冊程度だったのですが、ものすごく読みました。先生に薦めてもらう本は難しいのですが、とにかくいろいろなジャンルの本を。
佐藤先生が言われるのは、「100冊読めば、本と会話ができるようになる」と。最近になって、やっとその意味が分かってきました。

佐藤

本の言葉に負けたらだめなんですよ。目で見るのではなく、脳でしっかりと理解しながら読む。
私は昔から、線を引くときも、3種類くらいの記号をつけておく。質問とか、納得できないとか、自分にどう引っかかったのかを書き留めておくことで、読み返したときに分かるようになっている。自分だったらこう書くとか、目次だけ見てストーリーを作ってから読むとか、よく読むためにはいろいろな工夫があります。

平山

そういった本の読み方を学んだせいか、営業でも常に仮説を立てて動いています。
営業に行く前に、提案を3つぐらい考えておく。お客様がこれを言ってきたらこう返そうとか、AがダメならBを試そうとか。

佐藤

サッカーに例えると、シュートを打ったけどバーに当たったら仕方ない。でも、シュートする前にこんなフェイントを1個入れておけばもっと楽に打てたはずだ、とか自分がやらなかったことに後悔する。考えて準備して失敗したなら良いけれど、準備しないとダメ、仮説が大事なんです。
勢いだけで頑張るのでなく、ゲームプランを準備しておいて、上手くいかなかった部分は修正を加える。それをくり返していくことで自分が成長できる。

そして、もっと大切なのは自分を信じること。「100冊を読んだら賢くなれるかもしれないけど、自分にはできない」と思ってしまったら何も始まらない。やってみてダメなら修正したらいいだけで、でもそのためには「自分を信じる力」が必要なんですよ。

平山

営業の先輩で、よく売れている人は必ず自信をもっていますね。その方は自社の商品・サービスに対するスポットライトの当て方が違う。どの営業担当者も売るものは同じはずなのに、すごく良い製品に見える。そして、常にPDCAを回しているので次に繋がるんです。
そんな先輩方や上司から学ばせてもらうことが多くあります。

佐藤

素直だから伸びるんです。自分を信じる力をもっているから。
これからの目標は何か考えているの?

平山

若いうちに海外へ出たいと思っています。今の会社もベトナムやマレーシアにネットワークがあるので。
CUBE時代に、上海で会ったビジネスマンの印象が強くて、日本人が海外で活躍する姿がかっこいいなと思っていた。もっと実力をつけて、自分の価値を高めつづけていきたいと思っています。

勤務先や所属部署は、インタビュー当時の情報を掲載しています。
メインコンテンツに戻る

Copyright © Konan University. All Rights Reserved.