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海外インターンシップ(研究機関・自治体)

フィリピンの人・生活に、深く触れる旅:「生き抜くために学ぶ」人たちに教えてもらった、数多くのこと。 体験者:上野 友紀(うえの ゆき)マネジメントコース。インターンシップ先:フィリピン(マニラとセブ島)

インターンシップ情報

留学期間
2014年2月23日~3月5日
内容
  • フィリピン・スタディツアー
    孤児院(公立・私立)、病院(公立・私立)、高校・大学、託児所の訪問など

「あんたな、何の心配もなく高校に通えるって、すごく幸せなことなんやで」。面倒くさそうに聞いている妹の顔を見ていて、思い出したのは1年ほど前の自分だった。でも、私も同じやったし(笑)。そして同時に蘇ってくるのは、フィリピンで出会った多くの人たちの顔。孤児院の無口な少年や、目をキラキラさせて語っていた高校生たち・・・。そんな景色が浮かぶたびに、私は与えられた環境でもっと努力しなければと思う。

遅刻なんて考えられない、勉強が楽しくて仕方がない毎日に。

Q
今は遅刻ゼロ。授業も楽しいそうですが、最初はかなり違ったようですね?
上野

はい。実は、1年生のときは遅刻も多くて、あまりいい生徒ではなかったんです。
でも、先生から「あと0.5回でアウトだよ」と言われて、「このままではマズイ!」と気付いて、残りの2~3ヵ月は無遅刻・無欠席。必死で頑張りました。
CUBEは他の大学と違って、遅刻は許されないし、出席するのが当たり前なのです。

Q
そういう大学生も世の中には多いですからね。
上野

高校生の時からゆるい気持ちだったので、CUBEに入ってからもその調子でいたのですが、真面目に出席しだすと「本来はこうするべきなんだ」と遅ればせながら気付きまして・・・(苦笑)。

Q
そんな時に、海外インターンシップの話を見つけたのですね。
上野

思い切って参加してみたら、何かが変わるかなと思って。
それに普通の旅行ではなく、現地の人たちと交流したり、いろいろな施設も訪問できるスタディツアーなので多くの人たちと関われることに魅力を感じました。

Q
出発までに、どのような準備をしましたか?
上野

これはブレント先生が担当されているプロジェクトの一つで、事前に20時間くらいの授業があります。
フィリピンの現状について学んだり、各自がテーマに沿った質問を作ったり、孤児院でソーラン節を披露することになっていたので、その練習もやりました。

「学ぶ意欲」の強さに圧倒される。日本人はこのままではいけない。

Q
フィリピン到着後の第一印象を聞かせてください。
上野

着いた日は夜遅かったため、そのまま宿泊先である大学のドミトリーへ直行しました。
そこで驚いたのは、シャワーが冷水しか出ないことと、だだっ広い部屋に二段ベットがずらっと並んでいること(笑)
女子生徒と引率の先生で9人しかいなかったのですが、ある程度かたまって落ち着かないながらも眠りました。

Q
いきなりのカルチャーショックですね。一番印象に残っている訪問先は?
上野

公立と私立の孤児院を訪問する機会があって、特に公立の施設は、精神的に傷をかかえている子どもが多かったことと、ケアもしっかりとされていない様子でした。フィリピンでは、経済的な問題で子どもを養えない親が多く、置き去りにされるケースが多いんです。マーケットなどで「ちょっとお母さん行ってくるね」と言い残して、そのままになってしまうとか。

その施設では、100人くらいの子どもたちが暮らしていますが、特に男の子のほうが沈みがちで、話しかけてもほとんど話してくれない。言葉は通じているはずですが、何も反応がないんですね。

Q
問題をかかえた子どもたちとのコミュニケーションは難しかったでしょうね。
上野

そうですね。ただ、私たちのソーラン節は思った以上に歓迎されて、一緒に踊り出す子もいたりして、すごく盛り上がりました。フィリピンの人たちはダンスや唄がすごく好きなのだそうです。
そうは言っても、私たちも恥ずかしいので小さな動きで踊っていたのですが、だんだん盛り上がってくると、みんなの動きは大胆になるしドヤ顔になるし(笑)。私たちの心のなかでも、あの時何かが変わった気がします。

Q
いい経験でしたね。現地の高校・大学生たちと会った感想は?
上野

正直、日本はこのままだとヤバイと思いました。みんな自分の意見をしっかり持っていて、15歳の高校生に政治のことを聞いても、明確に答えてくれる。学校に通えない子も多いので、ある程度恵まれた学生だと思いますが、勉強に対する熱心さが日本人とは比較にならないと感じました。そういう意識の部分では、どうやっても日本は勝てないんじゃないかと。
私の妹が16歳なので、帰国してからはいつも説教しています(笑)。

Q
学ぶことへの熱意の違いは、どこから来ているのでしょう?
上野

動機が違うのだと思います。日本では教育を受けることが当たり前のように思っていますが、フィリピンでは学校に通えるだけでも幸せなこと。貧困から抜けだすためには、自分から必死に勉強して力をつけないといけないんです。

セブ島でお世話になった運転手のロドリゴさんという方は、子どもの頃とても貧しくて親を手伝うために学校にはほとんど通えなかったそうです。それでも、独学で日本語を勉強して運転手という仕事を得たことで、家族をもち、子どもを学校に通わせることができると。
それを聞いて、自分たちがいかに恵まれた環境にいるのかを考えて、とても親に感謝しましたし、この環境をムダにしてはいけないと痛感しました。

「自分から知りたい」と思って学ぶと、こんなにおもしろいんだ。

Q
そんな貴重な経験をして、帰国後どんな変化がありましたか?
上野

いろいろありますが、まず出会う人が変わり初めました。
今まで興味のなかったイベントに積極的に参加することで、今まで知り合うことのなかった人たちと関わりが増えたんです。そうすると、English Only-Zoneのアルバイトに誘ってもらったり、先生と話す機会も増えていきました。
今は自分の世界がどんどん広がっていくのを感じています。

Q
勉強への取り組み方も変わりましたか?
上野

そうですね、大きく変わりました。今では本当にどの授業も楽しいです。今は英語でハリーポッターの本を読んで深い意味を理解する授業とか、コミュニケーション支援とか、キリスト教についても学んでいます。興味の範囲が広がったと思います。
もちろん、遅刻もしていませんよ(笑)。

Q
考え方が変わると、そこまで自分の世界は変わるんですね。
上野

いやー、まだまだです(笑)。でも、自分が知りたいと思っていなかった時は、授業で教えられても何も感じなかったけれど、知りたいと思って学ぶとすごく身につくしおもしろい。それで楽しいと、どんどん真剣になっていくという感じです。

Q
いい連鎖ですね。次に取り組みたいことはありますか?
上野

今考えているのは、カナダへの海外留学。1年間行くとなると、友だちと一緒に卒業できなくなってしまうのですが。
でも、どうしてもチャレンジしたいと思っています。

スケジュール

出発。マニラ 6日間:孤児院や病院を訪問、現地の大学生と野外アクティビティーに参加。セブ島 4日間:託児所、高校生へのプレゼンテーション

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