HOME  >  卒業生インタビュー  >  松岡 瑞季

卒業生インタビュー

「自信がないなら、自信をつけられる行動を起こせばいい」。そのひと言から人生が動き出した。【4期生】松岡 瑞季 2016年卒業(グローリー株式会社 国内事業本部 販売企画統括部)

CUBEで身につけた、交渉力やプレゼン力を生かして。

Q.
所属する営業企画部に、女子新入社員が配属されるというのは史上初だったそうですね。
松岡

そうですね、最初はどう接したらいいか戸惑ったと言われました(笑)。全国にある営業支店を統括する部署なので、ある程度の経験を積んだ方が多いんです。
自分が担当する製品の販売戦略を立てたり、販促の企画や営業現場のサポートをしたりと、単独で動くことが多い仕事。さまざまな部門と連携したり交渉することが多いのでやりがいもあります。

Q.
入社1年目から、交渉業務や調整役ですか?
松岡

難しい案件も多いですし、まだまだ勉強中ですが、積極的にやらせてもらっています。プレゼンのテクニックや、交渉・議論するときの心得みたいなものは、CUBEでずいぶん鍛えられていたので。

Q.
CUBEで学んだ、交渉するときの心得とは?
松岡

教えてもらったのは、相手の立場を考えながら話をするということ。要求を受け入れてもらうためには、相手も上司の承諾を得ないといけないですから、そのために自分が提供できることは何かと考えてみる。OKと言えない理由はどこにあって、そのためにサポートするならどんな方法があるか、何パターンか考えるようにしています。

Q.
普通は、就職してから学ぶようなことですよね。
松岡

そうでしょうね(笑)。こんな調子で物怖じしないので、いろいろなことにチャレンジさせてもらっています。

チャレンジしてみたら意外とできた。自信をもてば変われるんだ。

Q.
もともと、積極的な性格なのですか?
松岡

いえいえ、ぜんぜんです(笑)。大学に入学した当初は、教室の一番後ろの端っこで、先生の印象にも残っていなかったはず。考えて考えて結果的に行動しないタイプでした。

Q.
180度印象が違いますが、どのようにして変わったのですか?
松岡

最初にスイッチが入ったのは、合格者の入学説明会のとき。もともとは公立志望だったので、一年浪人しようかどうしかと悩みつつ参加したんです。そこで佐藤先生の話を聞いて、「普通に勉強するより、ここの方がチャンスがたくさんあって、おもしろそうだ」と。

「自信がないなら、自信をつけるための行動をすればいい」と聞いて、確かにそうだなと思いました。とりあえず、目の前の課題から少しずつ挑戦していきました。前列の席に座ってみるとか、佐藤先生の授業をとってみるとか。そのうちに、いろいろなプロジェクト授業に参加し出して、「やってみたら、意外とできるかな」と自信がついてきたんです。親が一番びっくりしていました(笑)。

Q.
そんなふうに、人って変われるのですね。
松岡

最初の一歩は勇気がいりました。でも、周囲の人たちも、同じように変わりたいと思って行動を起こす人が多かったので、そういう集団の中にいたから頑張れたのかなと。
お手本にしたい、憧れの先輩も何人もいました。皆さんポリシーと自信をもっていて人前でも堂々と話せるし、それぞれに魅力があって個性的でかっこよかった。たくさん影響を受けました。

佐藤

人は変われる。人間は、何にでもなれるんですよ。
たとえば、蜂の世界でいえば、働き蜂や女王蜂は入れ替わることはできない。どの生命体も、生きるために効率的に作られた社会がある。人間社会も、昔は農民とか武士といった縛りがあったけれど、本来は何にでもなれる。
だから、人は何になろうかと悩む。自分は何になりたいんだろう、どう生きたらいいだろうと、悩みながら生きていくから、人は成長できる。

環境が人を変えるんです。たとえば、徳川家康や織田信長に1ヵ月ついて来い、っていうインターンシップがあったら、みんな変わると思いますよ。
自分をつくるという目標に対して、工夫を重ねて自分を育てていく。そういうメカニズムを手に入れれば、人は変われる。でも、多くの人は、やってもどうせ変わらないとか、決めても守らないとなる。
どういう方法が自分に合うかを見つけられないうちに「やってもダメだ」と諦めてしまう人が多い。自分の考え方を変えて、やってみたらいいんです。

みんなが必死に前をむいて進んでた。一緒なら、辛いことも楽しくなる。

Q.
同じ想いをもつ人たちと、一緒に頑張れたことも大きいですか?
松岡

佐藤ゼミの卒論は一年かけて準備をするんですが、最後に発表会があるんです。みんなの前でプレゼンして評価されるから、いいものを仕上げようってみんな必死になる。
プレゼン前日の夜に、みんなで発表しあって、聞いている人はみんなが佐藤先生になるんですよ(笑)。このグラフは分かりにくいとか、意味が分かりにくいとか、先生が言いそうなことを指摘し合う。そうすると「これはまずい」となって、それから徹夜で書き直して。
しんどかったけど、あの必死で頑張った経験は本当に忘れられない思い出。いまの私の力になっています。

佐藤

毎日ここに来れば、誰か仲間がいるという感じだったね。

松岡

そうですね。それぞれ居場所が大体決まっていて、分からないことがあれば得意な子のとこに聞きに行ったり。みんなが頑張っているから、苦しいことも楽しみになる。私も負けてられないなと思える。

Q.
インターンシップの思い出は?
松岡

NTTインターンシップで岡山県真庭市に行ったこと。初めてチームリーダーをやらせてもらいました。
インターンシップのいいところは、体感できるということ。現地の方たちの話を聞いて、自分のまったく知らない世界を見て、固定概念から解放される。そんなすごい体験を仲間と一緒に共有して、長い時間を一緒に過ごしていると、家族みたいな存在になってくるんですよね。いい恰好する必要もないし、お互いの良いところも分かり合えるし。

ゼミのメンバーは、毎日前に進むために励まし合う仲間。時には競い合いながら、それぞれの良いところを吸収しながら成長していく関係でした。
その感覚は社会人になってからも生かされていて、自分の価値観にしばられず、先輩方の良いところを学ばせてもらって、少しずつ自分の力に変えていくようにしています。

佐藤

インターンシップに出かけて、一緒に旅行して時間を過ごすことって大事なんです。旅館で一緒にご飯たべたり、普通ではなかなか会えないような人に会ったりして、教室以外で学ぶのがCUBEの特長でもある。つみ重ねた経験が厚いから、他の大学での学びとはぜんぜん違う。

Q.
そうやって身に付けた力は、社会に出たときに大きなアドバンテージとなるでしょうね。
松岡

配属されて1年目のときに、大きなプロジェクトのメンバーに入れてもらって、資料作成を手伝わせてもらったんです。その資料をもって役員がお客様のところへ行くときに、「経験だから」と同行させてもらいました。
先方の役員の方が「女性の営業はめずらしい。資料作ったのなら説明してよ」となって、急遽プレゼンをすることになったんです。もうガチガチでしたが、資料自体は自分が作ったものなのでなんとか頑張りました(笑)。

後日、「度胸のある新人が入ってきた」と言っていただいて、その後からいろいろとチャンスをもらえるようになった気がします。それがCUBEでの行動パターンが生かされた最初の経験でした。

学生時代に底力をつけておくこと。挑戦することを楽しもう。

Q.
これからの活躍が楽しみですね。
松岡

ここで学んで、自分を変えてもらって、挑戦することを楽しめるようになったお陰だと思います。性格まで楽観的に変わりましたから。

仕事で資料作りを多くやらせてもらっているのですが、他の部署の先輩方からもいろいろ指摘をいただくんです。何回もやり直しすることもあって、作業が終わった後に「ごめんね。たくさん指摘されて気分悪かった?」と気遣ってくださったのですが、私は「え?何のことですか?」って(笑)。CUBEでは、そんなことが当たり前だったので、ぜんぜん気にしていなかったので。

佐藤

うちのゼミは、体育会系の勉強部みたいだからね。ここまで頑張ってるゼミは、日本であまりないはず。

松岡

卒業してみて分かったのは、大学時代にプレゼン自体を学んでいる人も少ないということ。私たちは日常的に教えてもらっていたので。
それに、帰省するときに「大学に寄って、先生と議論してくる」って言うと、同期から「なんで?」と言われます(笑)。でも、私にとっては必要な時間なんですね。
帰省のたびに来させてもらって、先生といろいろ話すことで頭の回転がスムーズになって、初心に返ることができるので。

Q.
最後に、CUBEで学ぶ後輩に伝えたいことは?
松岡

せっかくの大学時代、やりたいことは躊躇せずにチャレンジしてほしいです。たとえ失敗しても学生なら許されることも多いし、それが経験になるし、自分の力になります。

佐藤

もし失敗しても、できなかった悔しさをちゃんと自分のものにして、その悔しさを使って努力する。ダムの中に水をためてエネルギーにするみたいにね。そうやって僕自身も戦いつづけてきました。
いい会社に入ることや、バリバリ活躍しているから偉いということでもない。与えられた条件のなかで、いかに自分の力を発揮して、自分らしい人生を希望をもって歩んでいくかが大事です。嘘をつかないで、人から信頼されて、自分の能力を高める努力をつづけていることがCUBE生らしいと思います。

松岡

先生のそういうお話が懐かしい(笑)。私ももっと頑張ります。

[1年後インタビュー]選抜メンバーで競って、「ベストプレゼン賞(若手部門)1位」を獲得。

Q.
全社コンテストで所属部署を代表する。かなり本気の勝負だそうですね?
松岡

もう本当に、真剣勝負です(笑)。毎年一回開催される「ビジネスパーソン・グランプリ」というイベントがあって、上司から推薦されたメンバー12名が集まって、各部署の取り組みを発表し合うのです。
発表者たちは部署を背負っているので、そのプレッシャーは相当なもの。最後の最後まで上司とプレゼン内容を詰めながら当日に臨むコンテストなので、引き受けるには覚悟が必要なんです(笑)。

Q.
度胸も立派ですが、そこで1位を獲得した。しかも、最年少者です。
松岡

自分が担当していた新製品が、リリース初年度で想定以上の売上げを獲得できたこともあって、私がプレゼンをさせてもらうことになったのです。せっかく推薦いただいたので、頑張るしかないと。

私は人に恵まれていると思います。上司からは、いつも「目の前の仕事にとらわれずに、新しいことを企画しろ」と、半分プレッシャーをかけられつつ激励されています(笑)。

佐藤

コンテスト出場者は、ヨーロッパの視察旅行にも行かせてもらったそうですよ。どんなメンバーなの?

松岡

皆さん、熱い方ばかりです。年代に関係なく好奇心旺盛で、街中を歩いていても、参考になりそうなものを見つけたら近寄って研究したり。

Q.
次に目標とすることは?
松岡

このコンテストには、もう一回出たいと思っています。CUBEで養われたプレゼン力を認められたことは嬉しいですが、次はもっと上のレベルを目指したい。
所属している部署が、マーケティングにも力を入れているので、自分でも勉強を始めています。まだまだ初歩の段階ではありますが。

佐藤

現場で学ぶことが大事です。現場を見て、そこで気付ける力も養うこと。見えないものを見る力を持つことです。

テニスの話になるけど、私はサーブの練習をするときにボールは2個しか持たない。みんなは練習だからたくさんボールを持ってサーブするのだけど、試合では2つしか持てないでしょ。
それだけで、1つのボールへの気持ちの置き方とか、ものごとの見え方が変わってくる。大事なことを見過ごさないよう、よく世の中を見ることです。

松岡

そうですね。成長することを止めないように、なぜ?なぜ?という気持ちを持ち続けていくつもりです。
先生にまた良い報告ができるように頑張ります。

勤務先や所属部署は、インタビュー当時の情報を掲載しています。
メインコンテンツに戻る

Copyright © Konan University. All Rights Reserved.